イカリソウ(碇草、錨草 Epimedium grandiflorum var. thunbergianum)はメギ科イカリソウ属 の落葉多年草。
花は赤紫色で春に咲き、4枚の花弁が、中に蜜をためる距を突出し錨のような特異な形をしているためこの名がある。
葉は複葉で、1本の茎に普通1つ出るが、3枚の小葉が2回、計9枚つく2回3出複葉であることが多い。東北地方南部以南の森林に自生し、園芸用や薬用に栽培されることもある。(なお、近縁種のトキワイカリソウは冬季に落葉しない。常盤=常緑の意味合いがある)
全草は淫羊霍(いんようかく、正確には淫羊藿)という生薬で精力剤として有名である。[1]。本来の淫羊霍は中国原産の同属のホザキノイカリソウ E. sagittatum (Sieb. et Zucc.) Maxim.(常緑で花は淡黄色)で、名はヒツジがこれを食べて精力絶倫になったという伝説による。ホザキノイカリソウの淫羊霍に対して、イカリソウの方を和淫羊霍とすることもある。
同属は25種ほどがアジアから南ヨーロッパにかけて分布する。英語名はbarrenwort、bishop's hat、fairy wings、horny goatweedなど。
イカリソウの有効成分としてはイカリインというフラボノイド配糖体が知られ、これには実際に次のような効果が示されている。
これらにより平滑筋が弛緩し陰茎などの血流が増えると考えられる。PDE-5の阻害は(かなり弱いが)バイアグラと共通の作用である。
またこのほかにもいくつかの薬理作用が研究されている。