オオウキモ(学名:Macrocystis pyrifera)は、不等毛植物門褐藻綱コンブ目コンブ科に属する海藻である。英名のジャイアントケルプ (Giant Kelp) が用いられることも多い。既知の藻類の中では最大種である。
根状部で海底の岩に付着し、上方に向かって茎状部や葉状部を成長させていく。その成長のスピードは著しく速く、1日に50cm近くも成長することもある。茎状部には空気をためた浮き袋が付いているため、これにより海中で直立して浮いていることができる。茎状部は海面に達するまで伸び続け、50m以上に達することもある。海面に達した後は、海面上に広がるような形で成長する。
オオウキモが密集した場所では、「ケルプの森」と言われる海底から海面に及ぶ長大な藻場が形成される。海中に林立し、さらに海面を覆い尽したオオウキモを側柱と天蓋に見立てて、「カテドラル(大伽藍)」などと呼ばれることもある。この藻場は生物多様性に富んでおり、カニなどの甲殻類、ウニやヒトデなどの棘皮動物、魚類、そしてアザラシやラッコなどの海獣類のコロニーとなっている。特にラッコは、海流により藻場から流されないように布団にくるまるようにオオウキモを体に巻きつけて眠る習慣がある。カリフォルニア州にあるモントレー水族館 (Monterey Bay Aquarium) ではオオウキモと魚を配した「ケルプの森」大水槽が人気を博している。
日本の水族館においてはかつては展示していなかったが、1981年の神戸ポートアイランド博覧会の芙蓉グループパビリオンでは、長大なオオウキモの標本がパビリオンの内側の壁面いっぱいに巻くような形で展示されていた。その後、のとじま臨海公園水族館や葛西臨海水族園で実際にジャイアントケルプを植えてケルプの森を再現した水槽が展示されたことがある。ちなみに海遊館のケルプの森水槽に展示されていたジャイアントケルプはイミテーション(人工模造)である。
アラスカ半島からカリフォルニア湾にかけての北東太平洋に主に生息するが、南半球の高緯度地域にも生息する。
オオウキモは食用に供さないため、従来採集されることはなかった。しかし近年、オオウキモに含まれるアルギン酸が健康に良いと標榜されたため、アメリカを席巻している健康ブームに乗って、サプリメントなどの材料として節度なき乱獲が続いている。沿岸海域の埋立てや水質汚染、海水温上昇などともあいまってアメリカ沿岸のオオウキモは激減しており、近い将来に藻場の豊かな生態系もろともオオウキモの森は消滅するものと予想されている[1]。
オオウキモ(学名:Macrocystis pyrifera)は、不等毛植物門褐藻綱コンブ目コンブ科に属する海藻である。英名のジャイアントケルプ (Giant Kelp) が用いられることも多い。既知の藻類の中では最大種である。
根状部で海底の岩に付着し、上方に向かって茎状部や葉状部を成長させていく。その成長のスピードは著しく速く、1日に50cm近くも成長することもある。茎状部には空気をためた浮き袋が付いているため、これにより海中で直立して浮いていることができる。茎状部は海面に達するまで伸び続け、50m以上に達することもある。海面に達した後は、海面上に広がるような形で成長する。