裸鰓類(らさいるい)は、軟体動物門腹足綱(巻貝の仲間)直腹足亜綱異鰓上目に属する分類群である。階級は裸鰓目、希に裸鰓亜目を当てる。後鰓類のうち貝殻がないもの、すなわちいわゆるウミウシに属する。
伝統的分類では、腹足綱後鰓亜綱裸鰓目とされていた。近年は異鰓上目の1目とするが、希に、後鰓目裸鰓亜目とすることがある。
かつてはドーリス目とも言った。これはドーリス属 Doris に代表させた呼び名だが、現在では分類階級が流動的なせいで意味が曖昧になることもあり、あまり使われない。
裸鰓類は大きく Anthobranchia と Cladobranchia の2つの系統に分かれる。
ミトコンドリアDNAの解析によると、裸鰓類は単系統でなく、側鰓類 Pleurobranchomorpha(背楯類の一部だったが、現在は独立したグループとすることが多い)が Anthobranchia か Cladobranchia のいずれかと姉妹群であるという結果が出ていた[1]。しかし核遺伝子の解析によると裸鰓類は単系統という結果が出ている。[2][3]。
また、裸鰓類と側鰓類の全体をヌディプレウラ Nudipleura と呼ぶ。
Anthobranchia
Cladobranchia
側鰓類(カメノコフシエラガイ科)
Architechtibranchia(オオシイノミガイ上科)
裸鰓類の分類はきわめて流動的である。
Bouchet, P. & Rocroi, J.-P., 2005. より。
wikispeciesより。Grandea et al. 2004[4]と思われる。科を細かく分けている点に注意。