アギナシ(Sagittaria aginashi)は、オモダカ科オモダカ属の水生植物である。
日本や中国、朝鮮半島に分布。山間の湖沼や湿地、ため池等に生息している[1]。
葉は根生、発生初期はヘラ状の葉を中心に形成するが、次第に矢尻型の葉をつける。
花期は7-10月で、最大100cmになる花茎に、3枚の白い花弁をもつ花が輪生しまばらな穂となる[1]。穂の上部に雄花、下部に雌花、雄花には黄色の雄蕊、雌花には緑色の雌蕊が共に多数ある。
果実は翼のある倒卵形[1]。
また夏ごろから、葉柄の基部に大きさ3-6mmほどのむかごを多数産生する。このむかごによって栄養繁殖と越冬を行う[1]。
同属のオモダカと類似するが、アギナシは根元に粒状のむかごを多数形成する一方で、オモダカは塊茎しかつくらないため、草体を引き抜けば区別できる。また、アギナシの花は葉より高い位置につくという特徴もある。[要出典]
そのほか、オモダカでは矢尻型の葉の先が尖るのに対して、アギナシでは先が丸みを帯びるという特徴もある。しかし葉の形態には変異が大きく決め手とはなりがたい。また、アギナシは「顎無し」の名の通り、矢尻型でないヘラ状の葉をつけることも多いが、同様の葉はオモダカでも見られるため、ヘラ状の葉の有無では区別できない。