ナンキンハゼ(南京櫨・南京黄櫨、学名: Triadica sebifera)は、トウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木である。以前はシラキ属(英語版)に分類され、Sapium sebiferum の学名で呼ばれていた。種小名の sebifera は「脂肪のある」の意[2]。別名、トウハゼ、カンテラギ。中国名烏桕〔木偏に臼〕、烏臼、烏臼木[3]。
和名は、ハゼノキの代わりに蝋をとる材料として使われるようになった、中国原産の木の意味である。
樹高6 m。
花は雌雄同株であり、5-6月開花する。雄花は総状花序で、その葉腋に雌花をつける。
果実は秋、少し三角のかかった球形の蒴果(さくか)を黒熟させ、3個の種子を出す。種皮は黒色であるが、その表面は脂肪に富んだ白色の蝋状物質で覆われる。蒴果が裂開しても、種子は果皮から自然に離脱することはなく、紅葉期から落葉後まで長く樹上に留まり、白い星を散らしたようで非常に目立つ。ムクドリなどの鳥類がこの種子を摂食し、蝋状物質を消化吸収して種子を排泄することで、種子分散が起こる。
よく紅葉することから、庭木、街路樹、公園樹の用途で使われている。
根皮、果実は乾燥して、利尿剤、瀉下剤にする。これを烏臼(うきゅう)という。 種子の油脂の烏臼油は、石鹸・蝋燭の原料や、薬用(腫物、皮膚病)とされる。