ココウモリ(小蝙蝠、英語 microbat)は、哺乳類コウモリ目(翼手目)のうちオオコウモリ(オオコウモリ科)以外の総称である。小翼手類(しょうよくしゅるい Microchiroptera)。
伝統分類では、コウモリ亜目(ココウモリ亜目ではない)または小翼手亜目に分類される。しかしココウモリは側系統であり、系統的分類ではこのグループは認められない。
オオコウモリが主に視覚に頼っているのに対し、ココウモリの視覚はあまり発達していない。その代わりに超音波による反響定位能力を獲得しており、光のないところでも障害物にぶつかることなく飛行が可能である。
基本的には虫食性だが、花蜜食、魚食、肉食、雑食などの種もおり、オオコウモリに対して多様性は大きい。
伝統的に、コウモリ亜目はYangochiroptera下目とYinochiroptera下目に分けられ、それらがさらに上科・科に分けられてきた。ただし、下目の使用頻度は低く、定訳もない。またそれ以外に、サシオコウモリ上科サシオコウモリ科が所属下目不明とされていた。
しかし2000年、分子系統によりコウモリ亜目は側系統であることがわかったため、大きく変更された系統分類が提案された。コウモリ亜目は側系統であるため分類群としては採用されず、Yangochiroptera亜目と、Yinpterochiroptera亜目の一部に分割された。Yinpterochiropteraにはオオコウモリも属する。[1]
Yangochiropteraは伝統分類の同名の下目とほぼ一致する。Yinpterochiropteraは、Yinochiroptera下目とオオコウモリを合わせたものにほぼ一致する。ただしいずれも、少数の科が変更されている。
上科は系統分類により大きく変更された。伝統分類と系統分類では、同じ名前の上科でも中身はかなり異なる。ただしいずれにせよ、上科は分類の専門家以外はあまり使わない傾向にある。一方、科は比較的安定している。
以下では上科は省略し、科を系統分類での亜目ごとに分ける。