ユズリハ(楪、交譲木または譲葉、学名: Daphniphyllum macropodum)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。古名はユズルハ。
花の形態がトウダイグサ科に似るので、古くはトウダイグサ科に含められたが、心皮が2個(トウダイグサ科は3個)などの違いから、独立のユズリハ科(学名: Daphniphyllaceae)とされた。APG分類体系ではユキノシタ目に入れられている。
高さは10mほど、雌雄異株。葉は長さ20cmほどで、枝先にらせん状につく。花は5月から6月に咲き花被がなく、葉腋から総状花序を出す。果実は10月から11月に熟し、黒褐色になる。
若い果実
ダフニフィリン、ダフニマクリン、ユズリミン、ダフェニリンなどの複雑な骨格構造のアルカロイド(ユズリハアルカロイド)を多数含み、家畜が誤食すると中毒の原因となる[4]。さらに、ユズリハアルカロイドはその構造から全合成の対象としてよく取り上げられる[5]。
日本(本州の福島県以西、四国、九州、沖縄)、韓国、中国中部まで分布する。暖地の山地に自生する。
ユズリハの名は、春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから。その様子を、親が子を育てて家が代々続いていくように見立てて縁起物とされ、正月の飾りや庭木に使われる。
ユズリハ属(ユズリハぞく、学名: Daphniphyllum)は、ユズリハ科の属の一つ。東アジアから東南アジア・インドに分布し、35種からなる。