接合藻類(せつごうそうるい)とは、緑藻類の一群である。栄養体の細胞が接合することによって有性生殖をする。アオミドロ、ツヅミモなど名のよく知られたものを多く含む。なお、この名は現在では使われることがやや少ない。ホシミドロ目とほぼ同義である。
接合藻類というのは、緑色の藻類で、通常の藻類体の細胞が接合することで有性生殖を行うものをまとめた分類群である。配偶子や遊走子のような、鞭毛細胞を形成しないのも一つの特徴である。単細胞か、単一の細胞列からなる多細胞。単細胞の藻体が群体をなすものもある。
接合藻類は一つの門ないし綱としての地位を認められる場合もあるが、この名を用いない場合もある。これに含まれる分類群としては、ホシミドロ目とチリモ目がある。チリモ目はホシミドロ目にまとめることも多い。
ここに含まれる藻類は、単細胞のものでもやや大柄で、はっきりした形のものが多い。また、運動性がないので観察がたやすい。ごく身近な水域でも普通に観察されるものも多い。そういった関係もあるのか、属の和名があって、教科書などにもよく掲載されて、知名度が高いものがたくさんある。
形態としては、単細胞のもの、糸状多細胞のものがある。
単細胞のものは、やや偏平な形で、細長いものから円形に近いものまである。普通、中央でくびれて、ほぼ同型な二つの部分に分かれ、中央に核がある。このタイプのものにはツヅミモ・ミカヅキモ・コウガイモ・チリモなどがある。チリモなどでは個々には上記のような構造をしたものが、連なって鎖状に並んだ姿のものもある。これらは中央のくびれの部分で分かれ、そこに残りの部分が作られるような形で、分裂によって増殖する。
糸状多細胞のものは、一列に細胞が並び、先端で伸びるように成長するもので、アオミドロ、ホシミドロなどがある。
有性生殖は、藻類体の細胞が直接に接合することで行われる。単細胞のものは、二個の藻体が接触して、間に接合胞子を形成する。糸状の多細胞体の場合、二本の藻類体が平行に走ったところで、細胞間に管がつながり、それを通って一方の細胞質が他方へ侵入し、そこで接合子を形成する。接合子は発芽の直前に減数分裂を行う。
淡水産のものが多く、浅い湖沼から高層湿原まで、さまざまなところに生育する種がある。水田などにも多くの種が見られる。プランクトンであるものもあれば、泥や水草の表面に付着するものもある。
従来は緑藻植物門に含める場合もあったが、現在では、接合藻類はそれらと系統が異なることが判っている。 車軸藻植物門ホシミドロ目としたり、あるいは独立させて接合藻植物門として、真正接合藻綱とチリモ綱を認める例などがある。シャジクモ類と共に、種子植物など高等植物と同じ系統(ストレプト植物)に属するものと考えられている。
以下に目と属のみを列記する。