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カンコノキ属 Glochidion Foster はコミカンソウ科の分類群。木本で、羽状複葉のように並んだ葉の付け根から小さな花序を着ける。
高木または低木[1]。葉はやや大きく、互生で二列生[2]。花は小さくて葉腋から束生する。雌雄同株または異株だが、花は性別があり、雄花雌花共に花弁はなく、花盤もない。雄花では萼片は6で、内外2列に配置し、蕾の時、瓦を重ねたように配置する[3]。雄蘂は2-8、円柱状に寄り合い、基部は互いにくっつき合う。退化雌蘂はないかとても小さい。雌花の萼片は6で時にくっつき合う。子房は3から数心皮あってそれぞれに2個の胚珠を収める。花柱は太短くて基部でくっつきあっている。果実は蒴果で種子に仮種皮はない。
新旧熱帯域に200種がある。ただしアフリカ、マダガスカルには産しない。熱帯アメリカには十数種のみで、多様性の中心はインドからマレーシアにかけての地域である[4]。
かつてはトウダイグサ科に含め、現在ではコミカンソウ科に含める。コミカンソウ属とよく似ているが、コミカンソウ属は高木もあるがほとんどは低木から草本でずっと小柄である。また花には花盤があり、種子には仮種皮がある。
カンコノキ属は、その花粉媒介をホソガ科ハナホソガ属 Epicephala のガに依存していることが明らかとなっている。しかも、カンコノキ属の各種は、それぞれ特異的に1種のハナホソガ属の種と絶対送粉共生関係にある。このガが活動する夜間、カンコノキ属の花は特定の匂いを出し、それを頼りの対応するハナホソガが花に飛来する。このがの幼虫は種子食で、該当のカンコノキ属の種子を食べる。更にガの雌成虫は幼虫の餌を確保するために、その口吻を用いて雄花では能動的に花粉を集め、雌花では受粉させるように振る舞うという。つまりハナホソガは餌をカンコノキのみに依存し、カンコノキはハナホソガだけに受粉を依存する。ガの幼虫は必ず種子の半分以上を食べ残し、これによってカンコノキも種子を残すことが出来る[5]。
日本に産する種を挙げておく。日本本土ではカンコノキが南日本に広く見られる。それ以外の種は九州にわずかに分布があるものもあるが、ほとんどが南西諸島に分布し、更に南に分布域を持つ。
Gliochidion カンコノキ属