イペ(ipe)は、ノウゼンカズラ科の広葉樹。別名パオロペとも呼ばれる。学名Tabebuia spp[1]。
ブラジル・アルゼンチン・パラグアイなどに分布する。樹高が45m、幹が1mを超える高木となる。紫イペ(Handroanthus impetiginosus)にはラバコールと呼ばれる成分が含まれており、防腐効果や防虫効果を発揮するとされている。南米の原住民は、紫イペの樹皮の内側の層を削って煎じてラパチョと呼ばれる民間煎じ飲料として使用する。解熱・消炎・妊娠中絶・健胃効果があるとされる。
年輪や杢目に乏しく、南方材らしく密に詰まった材質をしている。褐色の一様の木材。腐りにくい反面加工しづらく、ドリルで穴あけしないとビス打ちも困難なほど硬い。水につけても腐りにくいが、乾燥すると割れたり狂いが出やすい。シロアリや湿気に強い。比重は1.1であり、水に沈むハードウッドである。
イペに含まれる含まれるラバコールは人によってはアレルギーを起こすため、加工時にはマスクを着用したほうが良いとされる。木屑が皮膚に接触すると、接触性アレルギーを起こすこともある。
木材建築物の基礎、ウッドデッキ、フローリングなどに使用される。用途としてはウリンなどと同様の分野に使用される。