コバチ(小蜂)は、ハチ目(膜翅目:まくしもく)・細腰亜目(さいようあもく)・コバチ上科 Chalcidoidea の昆虫の総称(時にムカシホソハネコバチ上科 Mymarommatoidea を含めて言うこともある)。ほとんどの種で体長が数mmから1mm以下と非常に小さく、さまざまな動植物に寄生する寄生蜂類である。
大型種では16mmほどにもなるが、これは本グループにおいては例外的な巨大さで、大部分は数mmか1mm以下である。全昆虫のうち最小の種もこの上科のもので、体長0.2mmほどである。しかし微小ではあっても、形態は他のハチと基本的に同じで、6本の脚と発達した複眼や単眼をもち、通常は4枚の翅を持っている。ただし翅脈は非常に単純化しており、時に翅が縮小したり消失している種もある。特にオスのみが翅を持たないものもある。様々な色のものがあるが、緑色の金属光沢をもつものや黒っぽいものが多い。動物に寄生するものは他の昆虫の幼虫や蛹などに寄生することが多く、植物に寄生するものは虫こぶの原因となるものもある。
植物に寄生するものは、モウソウチクやマダケに寄生するモウソウタマコバチやマダケコバチ(共にカタビロコバチ科)など害虫として知られているものもある一方で、カイガラムシなどの害虫に寄生する種(クワコナカイガラトビコバチなどトビコバチ科に多い)は人間にとって益虫であると見なされている。