セレベスツカツクリ(Macrocephalon maleo)は、鳥綱キジ目ツカツクリ科セレベスツカツクリ属に分類される鳥類。本種のみでセレベスツカツクリ属を構成する。
インドネシア(サンギヘ島、スラウェシ島、バンカ島、ブトン島、レンベー島)[1][2]固有種
全長55-60センチメートル[1]。翼長27.9-30センチメートル[2]。メスよりもオスの方が大型になる[1]。尾羽は長く、尾羽の数は18枚[2]。全身の羽衣は黒や暗褐色[1]。腹部から尾羽基部の下面(下尾筒)にかけての羽衣はピンクがかった白[1][2]。尾羽は緑色の光沢がある黒[2]。
顔には羽毛が無く、黄褐色の皮膚が裸出する[2]。眼の周囲は黄みを帯びたピンク色[1][2]。後頭には骨質の突起がある[1][2]。嘴はやや長くて太い[2]。嘴の色彩は黄色みを帯びたピンク色[1]。上嘴基部は赤褐色[2]。人間でいう足の甲(ふ蹠)前部は網目状に鱗が並ぶ[2]。趾の爪は小型[2]。後肢は淡灰色や灰黒色で[1]、趾は黄色がかる[2]。
幼鳥は後頭に骨質の突起がない[1]。
標高1,200メートル以下の森林などに生息する[1]。ペアで生活する[1]。
繁殖形態は卵生。ペアは一生解消されない[1]。集団繁殖する事もあり、複数のペアが同じ穴に卵を産む事もある[1]。メスは森林の林床や砂浜、水辺などに深さ90-120センチメートルの穴を掘って卵を産む[2]。地熱や太陽熱によって卵を孵化させる[1][2]。
開発による生息地の破壊、卵の乱獲などにより生息数は減少している[1]。1930年に成鳥や雛の捕獲が禁止され、1970年に法的に保護の対象とされた[2]。一方で地域によっては政府が現地の住民に卵の採集を許可したり、卵の密猟が行われている[2]。スラウェシ島での1978年における生息数は5,000-10,000羽[2]、1985-1991年における生息数は沿岸部に335-740ペア、内陸部に約2,000ペアと推定されている[1]。