マンドリル(Mandrillus sphinx)は、哺乳綱霊長目オナガザル科マンドリル属に分類される霊長類。
ガボン西部、カメルーン南部、コンゴ共和国南西部、赤道ギニア[5]
体長61 - 76.4センチメートル[7]。体長オス約81cm、メス56cm。尾長9cm程度。体重オス25キログラム、メス11.5キログラム[6][7]。体重オス約27kg、メス約12kg。メスはオスの半分程度の大きさである。体毛は褐色や灰色で、腹面の体毛は白い。黄色い髭がある[6][7]。
オスの成獣は鼻筋は赤く[5]、これは皮下に毛細血管が発達しているため血の色が透けて見えている[4]。鼻の両脇は青く[6]、縞模様が入る[4]。オスの尻は青や紫色[6][7]。青い頬、黄色い髭という特徴的な配色で、このような派手な色彩は、昼間でも暗い熱帯雨林のなかで仲間を見分けるのに役立つと考えられている。
メスよりもオスの方が顔の色が鮮やかで、オスの尻は青紫色をしており、陰茎は赤色、陰嚢は紫色をしている。
熱帯雨林に生息するが[7]、林縁のサバンナやプランテーションで見られることもある[3]。夜間は樹上で眠る[7]。熱帯雨林の地上部に生息している。樹上の果実などを採るために木に登ることもあるが、あまり高いところへは行かない。250頭程度の群れを形成し、そのなかで1頭のオスは20頭程度のメスを従えたハーレムを形成している。野生での生態はよく知られていない。一般的に行動に攻撃性がないとされる。
主に果実や種子を食べるが、草本・樹皮・アリ類などの昆虫なども食べる[5]。果実、種子、昆虫類、小動物などを食べる。捕食者に関する報告はないが、ヒョウなどの大型食肉類に捕食されている可能性はある[7]。天敵はヒョウ、ワシ、毒ヘビ。
繁殖様式は胎生。6 - 10月に交尾すると考えられ、12月から翌4月に出産する[7]。妊娠期間は約6か月[7]。妊娠期間は約150-180日。通常、1子を産む。
種小名sphinxは「スフィンクス」に由来する[4]。名前は18世紀には西アフリカの商人によって用いられていたという記録はあるが、由来は不明とされる[4]。
生息地では食用とされることもある[7]。
生息地である森林の破壊、食用の狩猟による影響が懸念されている[3]。1977年に霊長目単位でワシントン附属書IIに掲載され、1981年にはワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]。
日本では2018年現在マンドリルルス属(マンドリル属)単位で特定動物に指定されている[8]。