ワラビ(蕨、学名:Pteridium aquilinum)はシダ植物の1種。コバノイシカグマ科。かつてはイノモトソウ科に分類されていた。草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生している。酸性土壌を好む。山菜のひとつに数えられている。
春から初夏にまだ葉の開いてない若芽(葉)を採取しスプラウトとして食用にするほか、根茎から取れるデンプンを「ワラビ粉」として利用する。ただし、毒性があるため生のままでは食用にできない。伝統的な調理方法として、熱湯(特に木灰、重曹を含む熱湯)を使ったあく抜きや塩漬けによる無毒化が行われる。
この名は同時にシダ類の代表的な名として流用され、たとえばイヌワラビ、クマワラビ、コウヤワラビなどがある。また、アイヌ語でもワラビを「ワランビ」「ワルンベ」などと呼称しており、日本語由来の言葉と考えられている[3]。
茎は地下を横に這い、よく伸びる。葉は冬には枯れ、春に新芽が出る。成長すると0.5 - 1m くらいの背丈になる。葉は羽状複葉で、小葉にはつやがなく、全体に黄緑色で、やや硬い。
森林内に出ることは少なく、火事、植林地などの攪乱(かくらん)されて生じた日当たりの良い場所に出現する。山腹の畑地周辺などにもよく出て、大きな集団を作る。
ワラビは山菜の中でも灰汁が強く、食べる為には灰汁抜き(アク抜き)が必要である。処理の前にある程度長さを揃えておき、折り口を綺麗に切り揃えておくと良い。家庭によっては切りそろえたものを紐などで1食分くらいに束ねておく。ワラビの上から重曹や木灰をふりかけ(揃えた切り口に重曹や木灰を擦り込む方法もある)、沸騰した熱湯をその上からかけ、新聞紙や大き目のポリ袋で落し蓋をして一晩置く。翌日きれいな水で洗いアクを流し、調理する。おひたしや漬物、味噌汁の実などとして食べる。
ワラビのおひたしについては家庭によって様々な変わり醤油をつけて食べる習慣があり、三杯酢、ワサビ醤油、からし醤油、酢醤油、ポン酢の他に、酢味噌やマヨネーズ味噌、醤油マヨネーズなど様々なつけダレがある。また、サラダに混ぜてドレッシングで食べるのも美味しい。
灰汁が防腐剤の代わりとなるため、水をこまめに交換すれば1週間は大丈夫という説もあるが、3日を過ぎると腐りやすくなるので注意。確実に日持ちさせたい場合はチャック付き保存用バッグに練りワサビを溶かした水(充分に濁るくらい。中のバッグにチューブのワサビを絞って3 - 5センチ程度必要)と共に処理したワラビを入れて空気を抜き、冷蔵庫に保管するとワサビの殺菌作用で1週間ほどは持つ。食べやすい大きさに小口切りしておくと、袋から取り出して洗ってそのまま食べられる。
地方によっては、濃い塩湯(熱湯に多めの塩を溶かしたもの)をワラビを敷き詰めたタライに流しこんで、灰汁を抜くという方法もある。また、温泉地では単純アルカリ泉(飲泉が可能なもの)で灰汁を抜く方法もある。こうした場所ではフキなど他の山菜も、山から採って来た長いままで切らずに茹でる光景も珍しくない。
生の物を5センチ程度に切ってかき揚げにするか、1本のままで天ぷらにしても良い。生のまま揚げたものは灰汁抜きしたものより苦味が強いが、ほろ苦い独特の風味があり美味である。後述の中毒の事もあり食べすぎには十分注意。茹でて灰汁抜きしたものは苦味も少なく柔らかいので、1 - 数本を軽く結んで束ねたものに衣をつけて揚げても良い。
塩漬けにする場合は、多めの塩を振りかけながら束ねた生のワラビを漬物樽に敷き詰めてビニールを被せ、蓋と重石をして空気が入らないように密封する。食べる時は取り出したワラビをよく洗い、一晩塩抜きしてから調理する。塩漬けした物は煮付けや卵とじなどの調理にする。そのまま生では食べない。
牛や馬、羊などの家畜はワラビを摂取すると中毒症状を示し、また人間でもアク抜きをせずに食べると中毒を起こす(ワラビ中毒)。ワラビには発癌性のあるプタキロサイド(ptaquiloside)[4]が約0.05-0.06%含まれる[5]。
1940年代に牛の慢性血尿症がワラビの多い牧場で発生することが報告され、1960年代に牛にワラビを与えると急性ワラビ中毒症として白血球や血小板の減少や出血などの骨髄障害、再生不能性貧血、あるいは血尿症が発生し、その牛の膀胱に腫瘍が発見された[6][7]。これが現在のワラビによる発癌研究の契機となった。
ワラビ(蕨、学名:Pteridium aquilinum)はシダ植物の1種。コバノイシカグマ科。かつてはイノモトソウ科に分類されていた。草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生している。酸性土壌を好む。山菜のひとつに数えられている。
春から初夏にまだ葉の開いてない若芽(葉)を採取しスプラウトとして食用にするほか、根茎から取れるデンプンを「ワラビ粉」として利用する。ただし、毒性があるため生のままでは食用にできない。伝統的な調理方法として、熱湯(特に木灰、重曹を含む熱湯)を使ったあく抜きや塩漬けによる無毒化が行われる。
この名は同時にシダ類の代表的な名として流用され、たとえばイヌワラビ、クマワラビ、コウヤワラビなどがある。また、アイヌ語でもワラビを「ワランビ」「ワルンベ」などと呼称しており、日本語由来の言葉と考えられている。