ハヤブサ科(ハヤブサか、Falconidae)は、鳥類ハヤブサ目の科である。ハヤブサ類・カラカラ類が含まれる。
南極大陸を除く全世界[1]
最大種はシロハヤブサ[1]で全長オス52センチメートル、メス59センチメートル[2]。翼開張110-130センチメートル[2]。
草原、サバンナ、ツンドラ、海岸、森林などに生息し、多くの種は開けた環境を好む[1][2]。
食性は動物食で、昆虫、鳥類などを食べる[1]。カラカラは動物の死骸も食べる[1]。
繁殖形態は卵生。カラカラを除いて巣をつくらず、断崖などに直接卵を産んだり他の鳥類の古巣などを利用する[1]。
ハヤブサ科は単型のハヤブサ目に分類され[3][4][5]、ハヤブサ目はおそらくスズメ目+オウム目と姉妹群である[6][7]。
伝統的に、昼行性猛禽類のハヤブサ科・タカ類(タカ科など)・コンドル科は同じタカ目 Flaconiformes に分類されてきた。しかし、形態・分子双方から疑問が呈され、ハヤブサ目 Falconiformes(ハヤブサ科のみ)とタカ目 Accipitriformes(タカ類とコンドル科)に分離された。ハヤブサ目はタカ目と異なり、鉤爪が小さく比較的大きさがそろっており、この比率は生態が大きく異なるスズメ目とほぼ同じである[7]。
伝統的に、ハヤブサ科のうちカラカラ類4属(現在の分類では5属)は形態上の共通点から単系統のハヤブサ亜科 Polyborinae に分類されてきた。ハヤブサ属 Falco・コビトハヤブサ属 Polihierax・マメハヤブサ属 Microhierax はハヤブサ亜科 Falconinae に分類された。しかし、残りのモリハヤブサ属 Micrastur・ワライハヤブサ Herpetotheres・シラボシハヤブサ Spiziapteryx の分類には諸説あった。
現在の系統からは、ハヤブサ科はワライハヤブサ亜科(ワライハヤブサとモリハヤブサ属)とハヤブサ亜科に分かれ、ハヤブサ亜科はカラカラ族 Caracarini(カラカラ類)とハヤブサ族 Falconini に分かれる[8][9][10][7]。シラボシハヤブサは若干の不確かさがあるがハヤブサ族に含まれる。
モリハヤブサ属・ワライハヤブサは、古くはタカ科のほうに近縁だとする説もあった[9]。その後、ハヤブサ亜科かカラカラ亜科に含めたり、単型のモリハヤブサ亜科 Micrasturinae[11]やワライハヤブサ亜科に、もしくは2属を1亜科に分離する説などが現れた。シラボシハヤブサは、コビトハヤブサ属に近縁と考えられてきたが、カラカラ類に近縁としカラカラ亜科に含める説もあった。
land birdsカラカラ族 Caracarini
ハヤブサ族 Falconini
ブッポウソウ目+キツツキ目+サイチョウ目+キヌバネドリ目+オオブッポウソウ目
現生の属と種は国際鳥類学会議 (IOC) による[3]。11属65種が現生する。絶滅した属と種は不完全。
開発による生息地の破壊、乱獲、農薬による獲物の減少や中毒などにより生息数が減少している種もいる[1][12][13][14][15][16]。